どうも~
ミサミサです。
ミサミサといいつつ、普通のアラサーサラリーマンです。
この記事ではおすすめの本を1冊紹介します。
【死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発】 著:門田隆将
3.11の原発事故をなんとなくしかわかっていない人
原発事故で、東電が一方的に悪者だと思っている人いませんか。
原発事故が起きた時、現場で何が起きていたか考えたことない人いませんか。
本書を読めば、原発事故の本質がわかり、東電の見方や原発への意見を考え直すきっかけになります。
Amazon Prime Video の「フクシマフィフティ」やNetflixの「THE DAYS」を見て、ニュースやワイドショーでは「福島第一原発事故」が正確に伝わっていないと感じました。福島事故の時に発電所で何が起きているかを取材した本書を読むことで、現場で起きていたことを脚色なしに知ることができると思い、本書を手にしました。
【読了までの目安時間】2時間
【おすすめ度】★★★★★
【要約】
福島第一原発事故は東電の努力次第で防ぐことができたかもしれない事故であるし、事業者として決して許されるものではないが、事故終息のために現場で立ち向かった現場の方々のことは忘れてはいけない。
本書には事業者としての意識だけでなく、地元や東日本、さらには日本を守るために自分の命を懸けて事故に立ち向かった吉田所長をはじめとする現場対応者の壮絶な戦いが描かれている。
【解説】
3.11以降「東電は悪」「原発は悪」といった論調で報道されることが多く、「地元密着型の発電方法であり、地元は恩恵をかなり受けている」といった点や、「火力発電に比べ、環境にやさしく廉価で安定な電力供給源である」といった点はあまり報道されません。
福島第一原発事故を引き起こした東電は糾弾されて然るべきです。しかし、3.11以前は原発の恩恵を受けていた日本人は手のひら返しで反対するのではなく、「事故が起きた原因」や「現場で何が起きていたか」をきちんと知る義務があると思いました。
本書では前例がない未曽有の大災害に立ち向かった、吉田所長をはじめとする現場の方々の戦いが脚色なしに描かれています。
事故の原因
福島第一原発事故は「地震」が原因で起きたと思われがちですが、違います。「地震」のあとに襲来した「津波」によって、発電所内の事故対応に使用する機器への給電源がなくなり、事故へとつながりました。
炉心損傷
原子力発電に使われる燃料は溶け出すと大量の放射性物質が出されるため、常に冷やし続ける必要があります。「津波」によって、燃料を冷やすための機器を動かすことができず、結果として燃料が溶け出し炉心が損傷しました。
建物の爆発
溶け出した燃料が建物のコンクリートと反応し、水素が発生しました。そして、建屋内の水素濃度が高くなり建屋の爆発に至りました。結果として周辺地域に放射性物質が放出される事態となってしまいました。
現場の戦い
吉田所長をはじめとする現場の方達はこれらの事故に対応すべく、寝る間もなく知恵を絞りだしました。
・車のバッテリーを直列につなげ使用できないか
・津波で溜まった海水を炉心に注入できないか
・若い人は放射性物質の影響を考慮し現場には行かせない
・保身に走る官邸への対応
など、すべきことはたくさんありましたが、吉田所長は冷静にそして的確に現場で指揮をとり続けました。
部下には無理をさせず、官邸や東電本店からのお叱り、八つ当たり、無茶な要求は自分が矢面に立ち、どうすれば最悪の事態を免れることができるかを第一に指揮を執りました。
結果、最悪の事態である格納容器損傷は免れ、犠牲者も津波による2名のみに食い止めることができたのです。
最後に
【ミサミサの独り言】
この本や映画を通じて、当時の状況をわかろうとせず、「東電は悪」「原子力は悪」と叩くのはお門違いであると感じています。東電の吉田所長でなければ状況はさらに悪化する可能性すらあったのです。吉田所長は自分の会社が起こした事故の責任を感じつつ、部下や周辺住民の安全を第一に考えている人格者です。逆に、当時の官邸や総理大臣の立ち居振る舞いは非常に愚かしいものでした。この期に及んで保身や責任の押し付け合いをし、イライラや混乱を部下、現場に感じさせるありさまだったようです。
本作品を通して、人の上に立つ指揮者の資質を教えられました。
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